【第4世代】範囲補正が掛かる条件の検証
約14年前に実施した複数体を対象にした攻撃技に掛かるダメージ補正(いわゆる範囲補正)についての追検証です。
発端
ポケモンWikiを眺めていたら、こんな記述を見つけました。
(ダメージ - ポケモンWiki) |
古い情報だと思っていたものがそのまま残っていてビックリ。現役のプレイヤーの情報を確認しようと4thGS解体新書。PDF版を確認したところ次の通りの記述でした。
(伝説厨オフ発行「4thGS解体新書。PDF版」、p.7) |
どうやら「ダメージ計算時の攻撃対象生存数」という条件を考えてもなお例外として残っている様子です。この新情報の下、昔の検証の追加検証を行うことにしました。
検証の背景
まず情報を整理しておきます。範囲補正については、現状の情報が得られるまで次のような過程を踏んでいます。
- DP発売後、「じしん」などの全体攻撃にも補正がかかること、範囲補正の倍率が変わっていることが発覚
- 範囲補正の倍率に3/4派と2/3派が登場
- 「じばく」「だいばくはつ」の補正の有無が攻撃対象数により変わることが分かる(3体だと補正あり、2体以下だと補正なし)
- 3.の前後にオフ勢の検証により2/3派が優勢になる*1
以上を踏まえて、私が補正倍率の検証を行い3/4と結論付けました。*2 このとき「じしん」を使って検証していたのですが、補正が掛かる場合と掛からないがあったためよくよく観察したところ前述のダメージ計算時の攻撃対象生存数が関係すると推定し、倍率と同時に報告をした次第です。
「じばく」「だいばくはつ」については記憶が曖昧ですが、十分な検証を行っておりませんでしたので「この仕様によるものではないか」と付記した程度だったと思います。ついでに言うと、戦闘において影響が大きいですから何かあれば対戦勢から情報がこぼれ落ちてくるだろうと思った覚えがあります。
上記の範囲補正の倍率と特殊な仕様が分かったのがDP発売半年以内のことです。*3 その後、爆発と範囲補正の関係についての情報を私が目にすることはありませんでした。*4 故に前述のように爆発について例外視するのは古い情報だと思っておりました。
しかし今回、ダメージ計算時の攻撃対象生存数が影響するという情報を知った上で爆発を例外視する情報を4thGS解体新書。PDF版で得ました。発行元についても信頼を置けそうな名前が連なっていますので、単純に時系列を無視して融合させた訳ではないでしょう。閉じたコミュニティ内で共有されていた情報なのか、私がポケモンを離れた後に検証されたのかもしれません。とはいえ、ダメージ計算時というバグのような仕様に合わせた例外的な仕様が用意されているというのも考えにくいです。したがって、似たようなケースを検証して範囲補正が掛かる条件を整理しようという試みが本検証の趣旨となります。
検証
爆発の範囲補正
信頼できそうな情報とはいえ、やはり自分で検証せずに判断することは出来ません。まずは爆発の範囲補正について検証しました。
ポリシー…というほどではありませんが、これまで検証は通信対戦を利用せずに行ってきましたので、今回も通信無しで実施したいと思います。*5 まずは簡単な味方が爆発し、味方が被ダメージ観測対象という状況です。情報通り、1体でも倒れていれば範囲補正が掛からなくなることが確認できました。
続いて、被爆発側(爆発された側)での検証です。爆発してまず味方が倒れ、爆発側の場が空になります。その時点では被爆発側は2体居ますが、それでも範囲補正が掛からなくなるのか確認します。
こちらも無事に1体倒れただけで範囲補正が掛からなくなりました。動画には収め忘れましたが、ダメージ処理の1体目が生存して2体目が瀕死となった場合でも同様に範囲補正が掛からないことも確認しています。
爆発時の壁補正
先の結果からは、爆発が特殊な処理をしているようにも見えます。しかし爆発の処理で忘れてはいけないのが「技の使用者のHPを0にする」ことです。演出上は画面内に留まり倒れてはいるように感じませんが、確かにHPを0にしてからダメージ処理に移っています。HP0にしただけで生存数にカウントされるか否かを判定できるものが「リフレクター」です。
検証の通り、爆発すると生存数にカウントされなくなり爆発側の壁補正は対象1体時の1/2倍になっています。
範囲補正が掛かる条件
爆発すると「ダメージ処理が行われる前に生存数にカウントされなくなる」ということを先の爆発の範囲補正の仕様に適用すると、次の推測が成り立ちます。
全体攻撃は、技使用者を含めた4体のうち生存数が2体以下になると範囲補正が掛からなくなる。
それでは「じばく」「だいばくはつ」以外で技使用者をダメージ処理中に瀕死に追い込むにはどうしたら良いでしょうか。残念ながら全体攻撃の接触技はありませんので「ゆうばく」や「てつのトゲ」を活用することは出来ません。「みちづれ」を利用します。
※0:45〜の右上のダメージ値が上下反対になっている誤植があります。申し訳ありません。
残念ながら味方を道連れできないので、ふたごちゃんのマヤとルイが繰り出すピカチュウを利用させてもらいました。*6 結果、道連れが発動して2体だけになった場合でも攻撃対象が2体残っている状況で範囲補正が掛からなくなりました。
まとめ
範囲補正が掛かる条件は、「じばく」「だいばくはつ」が例外的な扱いをされている訳ではなく技使用者+攻撃対象範囲の生存数が2体以下になると範囲補正が掛からなくなると推定される。
ジャポのみを利用したケース(2021年2月7日 追記)
昨日の4thGS対戦&雑談通話は8試合もできました。対戦してくれた皆さんと喋り担当の皆さんありがとうございました。 対戦箇所に飛びやすいようチャプター分けをしてみましたhttps://t.co/3QjqwQ0QG0
— stoic (@stoic4486) 2021年2月6日
動画中で「『ジャポのみ』とかどうなんの?」という話が出たので検証しました。
こちらも同じ仕様のようです。
*1:検証者は記憶にありますがblogが残っていないこと、不正確な結果だったことから掘り起こすのは失礼かと思いお名前は伏せさせていただきました。
*2:検証結果はPOKeDEX 250と弊サイトのBBSに投稿しましたが、どちらも記録は残っていません。
*3:倍率不明だとロクに対戦できないでしょうから2〜3ヶ月以内な気もしますが、やはり記録がないためハッキリしたことは分かりません。
*4:というか、「ダメージ計算時の攻撃対象生存数」という仕様に触れただけの投稿でさえ2007チャンピオンの初手ドータクンの耐久力に関する解説以外に目にした覚えがありません。
*5:サブDSどころかサブカートリッジも持っていなかったので、そもそも昔はやりようが無かった訳ですが。
*6:双子ボムで有名なマヤとルイの強化が完了していないことに違和感を覚える人もいるかもしれません。耐久あり・火力なしで検証しやすい相手なので敢えて留めていた次第です。代わりに殿堂入りが100回超える羽目に…